大腸内視鏡ブログ

2013年6月 2日 日曜日

ららぽーと横浜クリニックは最新鋭の大腸内視鏡(オリンパス製)を全国初導入


オリンパスが2012年11月15日に7年ぶりに発売した最新鋭内視鏡システム Evis Lucera Eliteを
ららぽーと横浜クリニックは全国初導入しました。

今回発売された内視鏡の新たな時代を切り開くEvis Lucera Eliteには、これまでの機種にはない様々な最新技術が搭載されています。ここでは、大腸内視鏡の視野角に関する話題を書きますね。

(以下、オリンパスのカタログより抜粋)
すべての大腸スコープで170度の広視野角を実現しました。
従来(260シリーズ以前のスコープ)から30度広がったことで、広範囲を観察可能。
襞に隠れた病変部の発見に威力を発揮します。
(抜粋終了)






これまでの大腸内視鏡では内視鏡の観察範囲(視野角)が前方140度であったのに対し、今回のEvis Lucera Eliteにおいては30度広がり、170度になりました。これにより、これまでしばしば問題となってきた大腸のひだの後ろに隠れた病変の見落としがほとんど無くなります。
170度というと、すでに前方のほぼすべてが見えている状態です。つまり大腸内視鏡では、人間の従来の視界以上の範囲が見えているということ!

昔、子供のころ、「鳥は両目でほぼ360度の視界が見えている」と聞いて、「いったいどんな絵として見えてるの?」と思ったことがあります。そんな感覚でしょうか、この視野角の拡大は。なんとも素晴らしいですね。

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2013年5月22日 水曜日

ららぽーと横浜クリニック移転のお知らせ

ららぽーと横浜クリニックは2013/5/23より、南立体駐車場横入口にリニューアルオープンいたします。

場所としては、以前に大丸があった位置で、ららぽーと横浜の前面に出てきたことになります。この移転は、これまでの地域医療への貢献度を三井不動産から一定の評価をしていただいた結果と考えております。



南立体駐車場横入口から入った場所(CG)
外観はクールに、控えめに。




内部リニューアルの内容としては、以下の通りです。

①待合室の大幅拡大:座席数14→35(+補助椅子)
旧クリニックに来院されたことがある患者さんはご存じと思いますが、慢性的に座席に座れないくらいの混雑が続いていました。新クリニックは座席数の大幅増加によって、かなり快適になると思われます。基調色も「黄&茶」から「青&白」に変更され、かなりモダンな印象を受けると思います。



②診察室数の増加:3→4
診察の待ち時間の短縮のための施策です。医師の配置を含めて、診察効率が上がり、結果として待ち時間の短縮につながると思います。旧クリニックでも1-2年前よりも待ち時間は少なくなってきていましたが、今回の拡大と予約枠の設定でさらに待ち時間は少なくなっていくものと思います。



③リカバリースペースの拡大:5→8bed
旧クリニックでは、検査や手術の後に早く帰りたい希望よりも、ゆっくり休んでから帰宅したい希望が上回っていました。そこで、リカバリースペースを拡充しました。内視鏡検査や日帰り手術後にお休みするベッド数が増えたことにより、ゆったりとお休みできるようになります。

④門前薬局の変更:HACドラッグ→アイセイ薬局
移転に伴い、最も近い薬局が変更になります。真近くです。
待ち時間の短縮に力を入れてくださるそうで、当院としても期待しています。


さて、移転当初は混乱も予測されますが、精一杯、着実に、医療を行っていきたいと思っております。今後ともららぽーと横浜クリニックをよろしくお願いいたします。
院長 大西達也

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2012年12月 7日 金曜日

盲腸に出来る潰瘍;潰瘍性大腸炎とは

盲腸に潰瘍ができる病気シリーズに入れるには、ちょっと違うかなとも思ったのですが、潰瘍性大腸炎も、その病名から言って、ここに入る資格がある病気です。潰瘍性大腸炎は近年増えてきており、当院でも毎年フォローアップのために大腸内視鏡検査を受けられる方のうちの一部が潰瘍性大腸炎の治療を頑張っていらっしゃる方です。


「潰瘍性大腸炎」とは・・・
潰瘍性大腸炎とは、主に大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性炎症性疾患です。症状の再燃と緩解を繰り返す特徴があり、直腸から連続して大腸全体に病変が広がります。将来、がん化しやすい特徴があります。(参照)潰瘍性大腸炎とは


<内視鏡所見>

潰瘍性大腸炎の出血

潰瘍性大腸炎の偽ポリポーシス


血管透見像の消失、粘膜は祖造で細顆粒状、びらんや潰瘍の形成、易出血性、粘血膿性分泌物がみられます。とくに注腸検査では特徴的ですが、ハウストラ(結腸膨起)が消失した鉛管造や腸管の狭小・短縮も内視鏡でみられます。


<病理診断>
クローン病を始めとする炎症性腸疾患との鑑別診断が必要です。潰瘍性大腸炎に特徴的な病理組織所見といえば、「陰窩膿瘍」というものです。陰窩とは、小腸や大腸の内側の表面(粘膜)にある無数の小さな管状のくぼみをいいます。1つ1つの陰窩は目では見えないぐらい小さく、別名は「腸腺」、「リーベルキューンの陰窩」、「リーベルキューン腺」などとよばれています。(リーベルキューンは人名。)実際に顕微鏡でみた病理写真をご覧ください。

陰窩の強拡大です。好中球が陰窩内部に浸潤・集簇し、線管内に炎症細胞が充満しています。
この状態を陰窩膿瘍の形成と言い、潰瘍性大腸炎の最終確定診断においてとても重要な所見になります。




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2012年12月 3日 月曜日

盲腸・直腸に出来る潰瘍;アメーバ赤痢(アメーバ症)とは

「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」は、もう皆さんご存知ですね?
(参照)胃十二指腸潰瘍とは

・・・実は、胃だけでなく大腸にも潰瘍はできるのです。
今日はその大腸に出来る潰瘍の原因の一つ、「アメーバ赤痢(アメーバ症)」について書きたいと思います。


「アメーバ赤痢(アメーバ症)」とは・・・
原虫である赤痢アメ-バ(Entamoeba histolytica)を病原体とする感染性大腸炎で、日本では感染症法において5類感染症に指定されています。赤痢アメーバは大腸に寄生し、糞便中にシスト(嚢子・包嚢)を排泄して感染する、また性行為で広がることもあるとされています。感染源はアメーバ症の回復期患者・サル・ネズミ・シストに汚染された飲食物などであり、感染経路はシストの経口感染やハエ、ゴキブリによる機械的伝播も起こります。
経口摂取されたシストが小腸で脱嚢して栄養型虫体となり、栄養型虫体が大腸粘膜に侵入し、潰瘍を形成します。潰瘍の好発部位は、盲腸から上行結腸にかけてとS状結腸から直腸にみられます。この「アメーバ赤痢」は、世界各地に分布しており、世界で約5億人が感染しているといわれます。

<症状>
粘血便を伴ういわゆる「イチゴゼリー状」と呼ばれる下痢・発熱・腹痛・悪心・嘔吐。なかには下痢が断続的に続き、脱水症状を引き起こす場合もあります。

<内視鏡所見>
 
回盲弁の発赤と上行結腸に黄白色の白苔を有する潰瘍性病変がみえます。
この他、大小不同で浮腫状のタコイボ様隆起、粘膜ひだの限局した浮腫、大小不同で不整な潰瘍、潰瘍辺縁の易出血性と発赤、紅暈を伴ったアフタ性病変という所見がみられます。


大腸内視鏡検査で、アメーバ赤痢らしき所見を見たら、やはり海外渡航歴の有無を伺います。特に発展途上国は上下道をはじめ衛生環境の整備が不十分であり、原虫をはじめ様々な細菌や病原性微生物を口にしてしまう機会が多くなるからです。

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2012年11月26日 月曜日

回盲部にできる潰瘍;ベーチェット病とは

「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」は、もう皆さんご存知ですね?
(参照)胃十二指腸潰瘍とは

・・・実は、胃だけでなく大腸にも、(主に肛門近くや直腸)潰瘍はできるのです。
今日はその大腸に出来る潰瘍の原因の一つ、「ベーチェット病」について書きたいと思います。

「ベーチェット病」とは・・・
ベーチェット病とは、口の中のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状(結節性紅斑)、眼症状(ぶどう膜炎、急激な視力低下、失明)など、多くの症状が合併する病気です。医学関連の方なら、もしかしたらご存じかもしれません。じつはこのベーチェット病、全身の炎症の病気であり、消化管にも潰瘍ができるのです。「腸管型ベーチェット病」とよばれ、これまでお話した病気と同じように盲腸、とくに回盲部に潰瘍をつくるのです。


<症状>
腹痛・下痢・下血・黒色便・便に血がまじっている・リンパ節腫大(しこりとして触れることもあります)・消化管穿孔


<内視鏡所見>



回盲部におおきな多発性潰瘍を認めます。潰瘍は深く下掘れし、打ち抜き病変=punched out lesionとよばれます。炎症のために腸管壁は大きく隆起し、大きな潰瘍があります。潰瘍がひどくなると消化管穿孔(腸に穴があくこと)をおこし緊急手術になることも!!


腸管型ベーチェット病はベーチェット病の副症状にあたります。病型診断基準の特殊病変というところに入ります。この病気を診断する上で、大変重要な所見となります。


*ベーチェット病そのものについては、またの機会に・・・と、したいところですが、ベーチェット病について今すぐ知りたい!!病型分類を調べたい!!という方は厚生労働省のベーチェット病を研究されているチームがありますので、よろしければこちらをご覧ください。


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