大腸内視鏡ブログ

2017年6月 1日 木曜日

腸閉塞の一歩手前?腸狭窄をご存じですか?

こんにちは。ららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは、腸狭窄(ちょうきょうさく)という病気をご存知でしょうか。腸管の一部が完全にふさがってしまっている腸閉塞に対して、内容物の一部が通過できている状態を腸狭窄と呼びます。つまり、腸狭窄は腸管が狭くなり物を通しにくくなった状態のことですね。今回はそんな「腸狭窄」についてご紹介したいと思います。

腸狭窄はどんな病気?
人間の体は、口から摂取した食べ物や飲み物を栄養として、胃・小腸・大腸を通過する間に消化・吸収し、残ったカスを肛門から排泄します。ところが、その通り道で何らかの原因により小腸や大腸が狭くなり、食べ物や飲み物が正常に通過しにくくなってしまうのが「腸狭窄」という病気です
この腸狭窄の状態が長く続き、腸が完全に塞がってしまうと「腸閉塞(イレウス)」といわれます。腸閉塞は命にかかわる事もある病気ですから、そうなる前に腸狭窄の原因を未然に防ぐことや、症状が現れた時点ですぐに病院に行くことが大切になってきます。
では、なぜ腸狭窄が起こってしまうのでしょうか...

腸狭窄の原因
大腸癌や腹膜炎などによって腸管に強い炎症が生じることで腸がねじれたり、折れ曲がってしまうことが原因のひとつといわれています
また、開腹手術後に腸壁同士がひきつれを起こしてくっついてしまういわゆる癒着(ゆちゃく)の状態になると腸壁がどんどん厚くなっていきます。これらが繰り返し起こると、腸管が腫れて内腔が細くなり、腸が物を通しにくいほどの大きさまで狭くなってしまうことによって腸狭窄が起こります。
では、このように腸の形が変わり狭窄の状態となるとどんな症状につながるのでしょうか。

腸狭窄の症状
狭窄ができると、狭いところを食べ物が通るので痛みが起こります。その他にも、お腹が張ってきたり、下痢になったりします。症状がひどい場合は、胃が圧迫されることによる嘔気・嘔吐・発熱・脱水・頻脈・排便や排ガスの減少などがみられることもあります。
では、腸狭窄の治療方法とご自身で実践できる予防方法についてお話ししていきましょう。

腸狭窄の治療方法
腸狭窄の治療法は、重症度や原因疾患によって異なります
入院による治療の場合は、まず絶食と数日間の点滴が必要になります。この治療で腸管の炎症が治まるにつれて狭窄も改善されると腹痛は消失し、消化吸収機能も改善していきます。
腸狭窄が重症化して腸閉塞の状態になってしまうと、腸切除等の外科的処置をしなくてはならなくなります

比較的広い範囲での狭窄は腸の切除が一般的ですが、最近は技術の進歩により切除をせず治療できる方法も行われるようになってきました。
例えば、小腸のごく狭い範囲の狭窄に対しては切除せず狭窄部分を拡げる「狭窄形成術」です。また、大腸の狭窄では内視鏡による「内視鏡的バルーン拡張術」により治療が可能な場合もあります。
この内視鏡的バルーン拡張術は、消化管術後の合部狭窄のほか、クローン病、非特異性多発性小腸潰瘍症、腸結核、虚血性腸炎などの炎症性疾患に伴う狭窄が適応とされています。
しかし、手術をしても、同じ部位に癒着や炎症が起こり、結局同じ場所に狭窄ができてしまう可能性は高く、繰り返し手術を受けなければならないというケースも見られます。

腸狭窄の予防方法
まずは、規則正しい排便習慣を身につけることが大切です。腸の癒着は、術後でなくても腸の動きが弱いと起こりやすくなります。特に便秘症の方などは、癒着が起こりやすい上、ものが詰まる可能性が高いため、より注意が必要です。
また、暴飲暴食は避け、香辛料・アルコール・カフェインの含まれる飲み物は飲みすぎないように気を付けましょう
食事は積極的に海藻等の食物繊維を多く摂るようにすると、排便がスムーズになり便秘の解消にもなります。そして食事の時はゆっくりよく噛んで食べることを心がけましょう。
腹部が張ってきたり、ガスが出にくくなるなどの症状が現れたら、まず食生活を見直すことが大切です。
ただ食生活に気を付けていても、生活が乱れていては効果がありません。十分に休息をとるなど免疫力を上げ、代謝をよくする生活習慣を心がけて、腸狭窄を起こしにくい体づくりをするようにしましょう

最後に...
いかがでしたか?
腸狭窄はご自身の目で見ることが出来ないため症状が悪化してから気づくことや、検査を受けてたまたま発覚することが多い病気です。
もしも膨満感や下痢、嘔気・嘔吐・発熱・脱水・頻脈・排便などの症状が続くようなら早めに病院を受診しましょう。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック