大腸内視鏡ブログ

2017年8月 1日 火曜日

安心なポリープはないかもしれない?~SSA/P~

皆さんこんにちは、横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
今回は皆さんの関心も高い「大腸ポリープ」に関してのお話しをしていきましょう。
大腸ポリープに関してはこちらのページも見てみてください。

「過形成性ポリープは老化に伴いできてくるポリープで、癌化をする可能性は低い」と、考えられていました。しかし、最近ではSSA/Pと呼ばれる一部の過形成ポリープが前癌状態として注目されています
そこで今回はちょっと専門的な内容になりますが、SSA/Pについてなるべく簡単にご紹介したいと思います。

大腸ポリープの簡単な説明
大腸のポリープは腫瘍と腫瘍以外のものに分かれます。



上の図のように、いわゆるポリープと呼ばれるものは、腫瘍は主に"癌"と"腺腫"腫瘍以外のものは"炎症性ポリープ"と"過形成性ポリープ"に大まかに分かれます。
今までは多くの大腸癌は腺腫から発生すると考えられており、過形成性ポリープはそのほとんどが癌化しないと考えられてきました

しかし、最近になり"一部の過形成性ポリープが癌化する"という発生経路が提唱されてきました
それが、今回の記事の主役、「SSA/P」です。
では、SSA/Pについて更に詳しくお話ししていきましょう。

SSA/Pとは?
SSA/Pは略称で、正式名はsessile serrated adenoma/polypと言います。SSA/Pは概ね右側の大腸に多くみられ、大腸癌の元と注目されています。大きさは、癌化のリスクの低い物と異なり多くが5mmを超える大きさを呈し、10mmを超えるものもみられます。

※ららぽーと横浜クリニックで撮影された内視鏡写真

SSA/Pの診断基準
内視鏡検査時の目視で判断するのは難しいため、病理組織の検査で判断します。
SSA/Pの診断基準は大腸癌研究会のプロジェクト研究から提案されている7つの項目の中から、そのポリープが満たす項目が4つ以上あった時にSSA/Pと診断されます。

そもそも、今まで癌化しないと言われていた過形成性ポリープが癌につながることが分かったのでしょうか?

大腸内視鏡でポリープを切除しても予防できない大腸癌がある?

1980年代にアメリカでポリープ切除を切除することにより、どの程度大腸癌を予防することができるのかを調べる臨床試験が行われました。
この試験が行われた頃には過形成性ポリープは癌化しないと考えられていた為、原則として「全ての腺腫を切除し、過形成ポリープは切除しないという方針でおこなわれました

その結果は、大腸癌を8割程予防することに成功しました。しかし、大腸癌による死亡率減少効果は5割程にとどまり死亡につながるような悪い癌は十分に予防できていなかったということが分かったんです
つまり、この臨床試験により大腸腺腫を切除しただけでは、大腸癌を予防しきれなかったということになります。

最後に...
つまり、今回のお話しはいままで医師が「癌化しないからと切除しなかったポリープが、放っておくと癌化してしまう可能性がある」というとても怖いお話なんです。

癌になる可能性があるポリープが見過ごされていたかも...と思うと、とても怖いですよね。

全てのポリープをその場で切除することができれば一番いいのですが、実際はほとんどの方に複数の過形成性ポリープが見つかるのが現状のため、全て切除するのは中々難しいんです。
そのためららぽーと横浜クリニックでは、大腸ポリープが見つかった方、切除された方は1年後、ポリープがなかった場合でも2年後にはまた大腸検査を受けるようにご案内させていただいています。
現在は5mmを超えたポリープは過形成ポリープでも癌化するリスクがあるため切除することが推奨されています。もちろん当院でも切除を行っています。

過去に健康診断で大腸ポリープを指摘されたけど結局切除などをせずに何もしていない方、過去に大腸ポリープを切除してからずいぶん時間を空けてしまっている方などなど、...万が一があってからでは遅いです。定期的な、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック