大腸内視鏡ブログ

2012年7月25日 水曜日

新名医の最新医療2012 「無痛の大腸内視鏡検査」

先日、「新名医の最新医療2012」の取材で「痛みの少ない大腸内視鏡検査と日帰りできる痔の手術」についてインタビューを受けました。
そこで取材記者に聞かれたことのうち最大のポイントは、なぜ他院の大腸内視鏡検査は痛みがあるのに、ららぽーと横浜クリニックの大腸内視鏡検査は無痛なのか?というものでした。

これに手短に答えるとしたら、
「大腸を伸展させずに、ヒトの大腸の解剖学的位置をトレースして挿入していくから」ということになります。
(参照)無痛の大腸内視鏡検査


実はこの「大腸を伸展させずに・・・」は、テクニカルには、かなり難しいことなんです。そもそも、大腸内視鏡は肛門から挿入していくものですから、「押す&引きもどす操作」「ひねる操作」の2種類の操作しかありません。大腸はフニャフニャして柔らかい臓器ですから、普通に押す操作を行うとおなかの中で大腸が伸展されるに決まっています(そして痛みが生じるのです)。
それを様々なテクニック(無送気・jiggling・pull shrinking)を用いて大腸を蛇腹状に折りたたむようにしてファイバーを進めていくのです。この当院独自のの挿入法は、業界内では「桃源郷のような」挿入法だと言われることがあります。つまり、理想ではあるが本当は実在しないとさえ言われているほど理想的な究極の挿入法なのです。


さて、今年も納涼会の季節がやってきました。当院の一年間の実績集を編纂する時期です。
今年は大腸内視鏡検査を年間5500件も行ったことになります。独自の大腸内視鏡挿入法でもって、多くの患者様に喜んでいただいたことが、私とスタッフたちにとって最大の喜びです。
今後もよろしくお願いいたします。   ららぽーと横浜クリニック院長  大西達也

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2012年7月24日 火曜日

当院医療事務員による【医療機関の待ち時間が長い理由】

今回は皆様が一度は不満に思ったことがある【医療機関の待ち時間が長い理由】についての当院の場合のお話しで、受付事務員による記事です。

(以下始まり)

病院に受診した際に疑問に思うのが【待ち時間の長さ】・・・なぜ医療機関は待ち時間が長いのでしょうか?
まず最初に、当院の標榜科は【胃腸科・肛門科・内科・アレルギー科・皮膚科】となっております。標榜科は沢山ありますが、基本的には院長一人で診察をしております。そのメリットとしては、「一回の診察で、いくつかの診療科を同時に受けることができる」というものがあります。しかし、デメリットとしては、「状況によって待ち時間が長くなってしまうこともある」というものです。最高水準の内視鏡検査と日帰り手術を求めて患者様が全国から多数いらっしゃる他、近隣のお住まいの方のかかりつけ医療も行っている現状が根本的な要素としてあります。

時々受付で患者様がお聞きになること・・・「今、受付をすると待ち時間はどれくらいですか?」
例えば、患者様が受付開始とともに受付をし、仮に20番目の順番であったとします。一人3分の診察時間だとすると、単純計算でありますが待ち時間は1時間ということになります。ところが、受診する患者様はそれぞれ診察の内容が異なり、定期的な診察で特に症状変わりない再診の方もいらっしゃる一方で、初診の肛門科で手術の相談をされたい方もいらっしゃいます。

20番目の受付で、前に診察を待っていらっしゃる方達が【定期的な診察で特に症状変わりのない方】達ばかりだとします。そうであれば待ち時間は例え20番目の受付であっても30分くらいになるのかもしれません。ところが、前に並んでいる患者様が「初診で肛門科で手術の相談をされたい方」ばかりだとしましょう。そうすると診察時にお着替えをしていただいたり、診察中に【デジタル肛門鏡】という器具を使い、おしりの粘膜の状態や痔の状態などを確認することもあります。このデジタル肛門鏡のある診察室は一つしかなく、順番で案内するようになってしまいます。お着替えから含めて考えますと、とても一人10分以内の診察ではなくなります。 
なので、受付の際に待ち時間についての質問をよく頂きますが、目安でお伝えするとどうしても誤差が生じる理由は、診察の内容が患者様によって異なるという背景があるからなんですね。

また、別の要因「検査(レントゲンなど)の待ち時間」もあります
例えば単純レントゲンについて言うと、検査室は一つしかなく、撮影の際にはお着替えも必要です。レントゲンは当院では医師しか撮影できないので診察や内視鏡の検査の合間でしか撮影ができません。そこで、できるだけ患者様をお待たせしないように、レントゲンの撮影の際には必ず院長は診察室の方から走ってきて、撮影をしているのです。


「受付をしてからなかなか声がかからない」
「自分より後に受付され人の方が先に診察室へ呼ばれてしまった」
そのような不満に思ったことがある患者様は、もしかしたら診察の前に必要な検査での順番が回って来ず、後の受付の人が先に呼ばれてしまったのかもしれないですね。もしくは、後から来た患者様は予約を取ってあったのかもしれません。



どういう背景や理由があるにせよ、お待たせをしてしまった場合は大変申し訳ございません。
当院のバックヤード(診察室の裏)では常に職員が走って業務している状態です。なぜそんなに走るのか?
それは、少しでも早く診察をご案内できるように、患者様の待ち時間が少なくなるように、歩いている時間がもったいない!!ということで、当院の職員は院長含め、今日も移動は全て走って業務を行っています!!
少しでも患者様をお待たせすることのないように努めて参ります!!

(以上、終了)

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2012年7月15日 日曜日

「辻仲病院柏の葉」見学会

7月になり暑さが日ごとに変わってきましたね。
先日、当院スタッフ数名が千葉県にある「辻仲病院柏の葉」を見学させて頂きました。
今日はその見学会の感想を看護師が書きます。

(以下、始まり)

横浜から約2時間。初めて乗るつくばエクスプレスで病院見学へ行ってきました。院長がららぽーと横浜クリニックを開業するまで勤務していた‘東葛辻仲病院’のグループ病院になります‘辻仲病院柏の葉’という施設です。横浜市在住の方にはあまり馴染みのない施設名かと思います。正直私も‘ららぽーと横浜クリニック’に勤めるまでは知りませんでした。千葉県では専門病院として非常に評判が良く多数の患者様が来院しているそうです。

新しい街、柏の葉キャンパス駅近くに地域密着型の最新鋭病院。特に‘骨盤内臓器全体を診る病院’として2009年にオープンしたのが‘辻仲病院 柏の葉’です。駅から徒歩圏にあり、ロータリーを挟んでららぽーと柏の葉がありました。周囲には高層マンションが建設中で、これから新しい街を作っていく、その中核となるのが‘辻仲病院 柏の葉’のようでした。そのため街全体に統一感があり‘辻仲病院 柏の葉’も病院とは思えないような外観となっていました。建物内も、まるでホテルのロビーのような受付、待合室となっており病気のことを忘れてしまうような雰囲気でした。

消化器内科・大腸肛門科外来には専用ブースと専用スタッフが検査予約を取るシステムとなっていました。また、待合室には専用のモニターがあり検査の流れに関する説明を自由に見ることができるようになっていました。
当院でも「予約するか検討中だが、どんな流れで検査がすすむのかを知りたい」と受付に訪ねてくる方が時々いますので、こんなモニターがあると便利ですね。また、待合室やロビーには随所に絵や写真が飾られており、患者様やお見舞いに来られた方の心の安らぎを与える空間となっているようでした。

内視鏡検査室は5部屋もあり、手術室も4部屋ありました。介助にあたるスタッフの構成は新人~ベテランまで多数いるようでしたが、新人がうまく介助できないときは、すかさずベテランスタッフが補助に入ることで、患者様の安全確保と新人教育の両方がなされていました。
当院‘ららぽーと横浜クリニック’の運営方法とは少し異なります。当院では介助スタッフが新人のときに限らず、常にベテランスタッフが併勤することで、患者様の安全を確実に確保しています。

‘辻仲病院’と‘ららぽーと横浜クリニック’。
施設の大きさや設備に関しては比較にはなりません。辻仲病院の良い部分を全てららぽーと横浜クリニックに導入できるかというと無理があります(ハード面の違い、行っている医療内容の違い)。

それではなぜ、病院見学に行ったのでしょうか?
患者様を迎えする気持ち、病気のことで落ち込んだ気持ちにさせない、不安な気分にさせないおもてなしの精神は施設の規模には関係ないからです。‘辻仲病院 柏の葉’は外来数や検査、手術件数に応じて、医師やナース、助手などのスタッフ数も多く配置されている訳ですが、スタッフのみなさんがテキパキと仕事をしている様子がうかがえました。そんなスタッフの姿を目にしたら患者さまはどう感じるでしょう?

「さわやかな気分になる」「頼りになる」「安心感がある」「ここなら(検査や手術も)任せられる」etc・・・

そのような部分は、私たち‘ららぽーと横浜クリニック’も共通して行える医療の姿でもあります。
そんなスタッフを育成していくこと、また自分自身が成長していくことの大切さ。
それをベースによい医療を患者様に提供できること。日常の業務では忙しさで忘れがちなことを再確認するための病院見学でもあったのでしょう。このような機会を作ってくれた院長に感謝です。


確かに当院には「無痛で優しい大腸内視鏡検査」「肛門科の日帰り手術」を求めてたくさんの患者様がいらっしゃいます。患者様は「悪い病気だったらどうしよう?」「大腸癌だったらどうしよう?」「手術は痛くないか」と不安な思いで当日いらっしゃいます。患者様をむかえる病院側としましては、患者様の不安を少しでも軽減できる環境を作っていければと思っております。

(以上、終了)

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2012年7月14日 土曜日

大腸粘膜内がん(m癌)が内視鏡切除で治癒可能である理由とは?

大腸癌と聞くと、開腹手術や人工肛門になるかも、といったイメージをお持ちになる方も多いかと思います。
確かに、進行した大腸癌の中には、開腹外科手術や人工肛門造設によるライフスタイルの変更を余儀なくされる方もいらっしゃいます。しかし、早期大腸がんのほとんどは内視鏡で切除して完治できるのです。今回は、大腸の早期がんのうち、最も早期である「粘膜内がん(m癌)」が内視鏡で治癒可能な理由をご説明いたします。


それは、ズバリ!

「粘膜内がん(m癌)」は、リンパ節などの他臓器への転移の可能性が0%だからです。





「粘膜内がん(m癌)」が他臓器への転移の可能性が0%である根拠は以下のように説明されることが多いです。

・まだ早期すぎて転移能力をもたない
もし転移能力がないのなら、そもそも「悪性腫瘍」の名を語る資格がありません。

・統計的な事実がある
100%正しいのですが、これは根拠の説明にはなっていないのですが。

・粘膜内にはリンパ管がない
血行性転移も0%という事実を説明できません。

・そもそも、これくらい早期のものはがんではない!?
最初に書いた「転移能力がない」に近い説明です。
実は日本では「粘膜内がん」は癌と呼ばれますが、西洋では癌の範疇に入っていません。


・・・いかがでしょうか。
当院では、大腸内視鏡検査で早期がんが発見されれば、原則その場で切除を行います。
約10日後以降に病理検査の(採取した細胞を顕微鏡で確認する)結果をお伝えして、「粘膜内がん(m癌)」であったかどうかもわかります。定期的な検査を受けて頂き、適切な治療でご自身のお体をご自愛くださればと思います。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL