大腸内視鏡ブログ

2015年10月 1日 木曜日

私の便秘はどのタイプ?

今回は、皆さんにとても身近な便秘のお話をしたいと思います。

便秘は腸に関する体調不良の中でもっとも頻度が高いもので、だれでも一度は便秘になった経験があると思います。
一時的な便秘は特に問題になることはないのですが、数ヶ月以上にわたる慢性的な便秘の場合には対処が必要となってきます。

■便秘のタイプ
便秘にはいくつかのタイプがあります。
便秘のタイプに応じて、正しい治療を行う必要があります。
 
弛緩型便秘・・・大腸の蠕動(ぜんどう)が弱いため、便秘が起こる。(最も多いタイプ)

けいれん型便秘・・・大腸の蠕動が強すぎて、便秘が起こる。

大腸が詰まって起こる便秘・・・大腸がんなどで腸が詰まって、便秘が起こる。

直腸型便秘・・・(1)排便反射の異常によるもの。
         (2)直腸の疾患によるもの。
(各タイプの詳しいお話はこの記事のもっと下にもあります)

>>続きを読む

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2015年3月22日 日曜日

ららぽ-と横浜クリニックのスタッフ記事 「Wing」その2

ららぽ-と横浜クリニックには「Wing」と呼ばれるポジションがあります(そのまま「ウィング」と読みます)。
今回紹介するWingというポジションは「検査や手術に密接に関わるポジション」と言えます。


前回の記事
では当院独自のポジション「Wing」について紹介しました。Wingに関しての連載第二弾では私自身がWingとして「仕事中に気を付けていること」や、その「作業に関するコツ」をお話しします。
皆様に分かり易いよう、なるべくライトなタッチでお伝えしたいとは思いますが、扱う題材の都合上、それでも全三回の中で一番専門的な内容になるのではないでしょうか。

まずは注意事項として、恐らく全Wingに共通して言えるところから挙げていきましょう。
前回触れた通りWingにとっては切っても切り離せない仕事が内視鏡の洗浄です。そもそも内視鏡というものは高度な医療行為に使用する精密機械ですから、カメラ本体は「非常に高価」なのです。
患者様の体内に入るファイバー(管)部分は細く、柔らかく出来ています。通電部分など、水気は絶対NGな箇所もあり、故障の具合によってはそれだけで数百万円が飛んでしまうことになります。
Wingは洗浄時から定位置への移動までを含めて、常に気を抜くことなく繊細に繊細にカメラを扱わなければなりません。これがまず大前提です。......余談ですが、「カメラを壊してしまいそうで怖いから」という理由でWing業務に就きたがらないスタッフもいます。

共通注意事項の、その2です。
当院では、内視鏡の洗浄は「機械による自動洗浄」と「手洗い」を上手に併用して行っています。流れとしては、管の中を通す細長いブラシでゴシゴシと内部の汚れを落とし、専用の洗浄機によって次の検査に使用出来る状態に仕上げるといった形です。ポイントは、機械洗浄には一定の時間が掛かってしまうため、「どれだけそれ以外の時間を短縮出来るか」というところにあると考えています。一つの検査が終われば、それが次の検査に向けたスタートになります。勿論雑になってはいけませんが、一秒でも早くブラッシングを終えて洗浄機にセットすることで、次の検査に備えることが出来るのです。
ちなみに以前、当クリニックの院長と話をした際、私達Wingが検査室から素早くカメラを運び出し、ブラッシングをする様子について「なかなか他院では見られないもので、壮観だ」といった旨を語っていたのを私は覚えています。
また、胃の検査と大腸の検査では使用するカメラが異なりますので、次の検査が何であるかをきちんと見極めることも重要です。せっかく懸命に洗浄しセットした胃カメラも、次の検査が大腸では意味がありません。
検査の大まかな予定は決まっていますが、予定は飽くまでも予定。「次に胃カメラを予定している○○さんが遅刻してしまったが、本来ならその後で大腸検査を行うはずの××さんはもう来院されているので、こちらを先行しよう」など、その時々で状況は目まぐるしく変わります。Wingはそれらを検査の合間にしっかりと頭に入れて行動する「情報通」でなければいけないのです。

最後に、私が個人的に気を付けていることをお話ししたいと思います。
これまでの内容ではあまり触れてきませんでしたが、Wingの仕事は基本的に「立ち仕事」です。ひとたび始まってしまえば、ほぼ一日絶え間無く検査は続き、その間Wingは「洗浄アスリート」と化します。
私は初めの頃、慣れない仕事によって普段使わない部分に無駄に力が入っていたようで、肩凝りや筋肉痛などに悩まされました。経験を積んだことで、今ではそれが全く無くなりました!......とは言えませんが、多少は軽減したのかなと思っています。また、日常の健康管理に加えて、仕事の前後には必ずストレッチをするようにして、身体的な負担が少しでも軽くなるように努めています。Wingにはフィジカル面も求められているのだと、私は文字通り「体感」しました。

「Wing」に関する連載、第二弾は以上です。今回は内容の取捨選択に苦労しました。
個人的にはもっともっと細かいところまで語りたい......いえ、語りたかったのですが、細部に触れるほど皆様にはどうでも良い情報の羅列になってしまいます。でも、なるべく凝縮してお伝えしたい......そんな板挟みに耐えながらギリギリのラインを通ったつもりですが、如何でしょうか。判定は読んでくださった皆様に委ねますね。
さて、今回はこの辺りでおしまいです。早くも次は最終回を予定しています。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2013年8月13日 火曜日

院内BGMの音量調節は難しい

ららぽーと横浜クリニックが移転して2か月以上が経ちました。
新しい場所にスタッフも慣れて、診療も落ち着いてきましたが、まだ思うようにうまくいっていないのが、院内BGMの音量調節です。

以前のクリニックでは、CDチェンジャーで流していました(古い!?)。
すると、CDごとに収録音量が異なるので、いきなり大きな音で鳴り始めることがあるのです。そして、誰も音量を直さない・・・・という事態が何度も続いていました。


そこで、今回のクリニック移転に伴って、有線放送(USEN)を導入したのです。
有線放送なら、ずっと流し続けても音楽が入れ替わり、音量調節は不要です。
選べるチャンネルは100以上!! なんでもかけ放題です!!
http://www.usen.com/biz_music/find.html


当院では、多くのチャンネルの中から、医療機関用として妥当なチャンネルを選び、曜日ごとにチャンネルを変えることにしました。


・・・・そして移転後、数日が経ちました。
なんと! 今度はチャンネルごとに適切な音量が異なるではありませんか!つまり、曜日ごとにチャンネルを変えていくと、曜日ごとに適切な音量が異なるのです。
ある日は、大音量。あくる日はほぼ聞こえない・・・うまくいかんですなぁ。


対策として、チャンネルごとに適切な音量を書き出しておいて、それを早出勤するスタッフに徹底するという方法は、運用面で不可能でした。
(多くの人間が関わるルールは、十分簡単で全員に徹底できることが必要なのです)

今後の対策はいかに・・・検討中です。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2013年8月11日 日曜日

胃癌は内視鏡で予防できるか!?

結論から書きますと、ある程度は予防できます。


多くの胃のポリープは腺腫(癌へ移行するもの)ではなく、もっと良性のものです。たいていは顕微鏡的(病理学的)には、「胃底腺ポリープ」または「過形成ポリープ」です。これらは、癌になることは、ほとんどありません。つまり、胃癌は、いきなり癌として発生するものが多いのです(大腸癌との大きな違いです)。
ですので、定期的な胃カメラは「胃癌の予防」という意味よりは、「胃癌の早期発見」という意味合いが強く、早期に発見すれば、最近は多くのものが内視鏡的に切除可能です。


さて、「予防」という言葉の意味としては、①病気を未然に防ぐ②早期発見③早期治療を含むとされています。
「予防医学」では、病気を予防するだけでなく、より広い意味で疾病予防、障害予防、寿命の延長、身体的・精神的健康の増進を目的としています。つまり、病気を未然に防ぐだけではなく、病気の進展を遅らせ治療することも「予防」であるとされているのです。

ですので、そういう意味では「胃癌は内視鏡で予防できる」ということになります。
また、内視鏡検査の際にピロリ菌を含めてチェックして、除菌(菌を退治すること)することで、胃癌になる確率を低くすることができます。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2013年7月16日 火曜日

血液で大腸癌を発見できるか

大腸癌の発見に関する最近のニュースです。

(以下、ニュース記事)
三重大学の楠正人教授らの研究グループは4日までに、血液検査で大腸がんかどうかを92%の高確率で判定する手法を確立したと発表した。がん細胞が分泌する微細なマイクロRNA(リボ核酸)に着目した。がんの前段階であるポリープも高い確率で判定でき、発病前に治療することも可能になるという。米医療機関との共同研究。論文は6月に発行された米国立がん研究所の機関誌に掲載された。楠教授らは、日本人282人の血清を分析し、大腸がん患者は、大腸がんで多く発生する「miR―21」と呼ばれるマイクロRNAが健常者の約5倍に増えることを発見した。ポリープ患者でも約2倍になり、82%の確率で判定できる。0.5ミリリットルの血液があれば約3時間で判定可能という。
大腸がんでは、便に混じった血液を調べる「便潜血検査」や腫瘍マーカーによる検査が一般的だが、発見できる確率や精度が低かった。楠教授は新たな検査方法について「臨床試験が始まれば2年程度で実用化のメドが立つ」としている。
(以上、ニュース記事終了)

現在よく行われている「便潜血検査」は大腸癌があれば、その60%を見つけ出せる検査です。便潜血検査を2回行うことで、大腸がんの80%以上をキャッチできることになります。逆に言えば、自分が便潜血検査を行って2回とも陰性であっても、大腸がんの確率は1/5になったにすぎません。だから、結局は大腸内視鏡検査が便潜血の結果に関わらず、完全な大腸癌予防の為には、必要なのです。

対して、今回のニュースで書かれてある「血液検査(miR―21)」は、「大腸癌があれば、その92%を見つけ出せる」というのだから素晴らしい進歩です。この方法を2回行うと、大腸がんの99.5%以上をキャッチできることになります。これならば、もう「血液検査で大丈夫であれば、大腸内視鏡検査は必要ない」ということになるかと世間の誤解を招くかも知れません。

ここで問題は以下の点です。

・よくあることですが、こういうニュースの類は、数字が実際よりも良く書かれてあることが多い;92%は実効?
・偽陽性を避けるためにカットオフ値を下げたら、キャッチ率が結構下がってしまう;92%→??%
・「臨床試験が始まれば2年程度で実用化のメドが立つ」と書かれているが、いつのまにか立ち消えになることが多い(=上記2項目他がクリアできない);人々の記憶からも消えます
・コストは?  

今後の動向が注目です。

投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック | 記事URL

カテゴリ一覧

カレンダー

2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31