大腸内視鏡ブログ

2016年2月 1日 月曜日

大腸のバリウム検査(注腸造影)と大腸内視鏡検査

こんにちは。
今回は「大腸のバリウム検査(注腸造影)と大腸内視鏡検査」というテーマでお話していこうと思います。

まず、どういった検査なのかをそれぞれ簡単にご説明します。

■バリウム(レントゲン)検査
食事制限のあと、洗浄液を服用して腸の中を空っぽにします。肛門からバリウムを注入し、その後に空気を入れてレントゲンを撮ります。腸に病気がある場合はそこだけバリウムが弾かれて抜けて見えます。

■大腸内視鏡検査
食事制限のあと、洗浄液を服用して腸の中を空っぽにします。肛門からカメラのついたスコープを盲腸まで入れ、空気を入れながら腸の中を観察します。腸に病気がある場合は肉眼的に発見できます。




両者の手順を読んで分かるように、必要な手間はどちらでもほぼ同じです。事前の食事制限や洗浄液を服用して腸を空っぽにすることは共通なのです。

一方、検査の精度という点では両者は大きく違います。
バリウム検査では病気と残便が紛らわしいことがあったり、発見できないタイプの病変もありますが、大腸内視鏡では肉眼的に病変を直視するので、精度が高いのです。



大腸内視鏡検査は痛い検査として恐れられている検査ではありますが、高水準施設であれば注腸よりもずっと楽に検査が可能です。今では高水準施設で「大腸の検査」と言うと、大腸内視鏡検査が主流です。
「なが~いスコープがおしりから入るのが怖いから...」と内視鏡を避けてバリウム検査をしてくれる施設を探すよりも、上手な大腸内視鏡検査をしてくれる施設を探す方が、自分の体にとって優しいことかもしれません。

ららぽーと横浜クリニックでも最高の大腸内視鏡検査を受けられますので、是非お気軽にご相談くださいね。

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2016年1月 1日 金曜日

なぜガスが溜まるの??

お腹が張って辛く苦しい思いをしたことはありませんか?
今回は、ガスが溜まる原因や改善方法をお話したいと思います。

ガスが溜まる原因は?
お腹が張ったと感じる時は腸の中にガスがたまっている、あるいは便秘気味であるといった場合に起こります。

・食事の時に、食べ物や飲み物と一緒に空気を飲み込んでしまう。
・ガスが溜まりやすい食品を食べる。(豆類・野菜・果物・乳製品・穀物・肉類・炭酸飲料・ビールはガスが溜まりやすいとされています)
・デスクワークのなどの座っている時間が長い人や、お腹を締め付けるようなもの(女性の場合はストッキングやタイツなど)を長時間身に着けている。(腸を圧迫し、ガスがたまる要因になってしまいます。)
・トイレを我慢してしまう、外出中におならを我慢してしまう。
・大腸がんなどの病気がある。(便やガスの通りが悪くなっている場合に起こります。)

改善方法
ガスが溜まりやすい体質を改善するためには、上記に挙げたようなガスが溜まりやすい食事を避け、 乳酸菌や食物繊維などの食事を摂りいれていくと良いとされています。野菜をはじめ食物繊維が豊富な食材を意識して摂取しましょう。ヨーグルトなどの乳製品のほか、発酵食品も改善につながる食品とされています。
また、炭酸飲料やビールなどの飲み物にも注意しましょう。

早食いはNG。食事はゆっくりよく噛んで食べるといったことも大切です。
ただし、膨満感が長く続く、血便が出るといった症状がある方は大腸癌から来る症状の場合がありますので、大腸検査を早めに受けるようにして下さい。

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2015年12月 1日 火曜日

過敏性腸症候群~概要編~

だんだん寒くなり、体調を崩しやすい季節になってきました。
今回は腹痛にも関係がある「過敏性腸症候群」という病気についてお話していこうと思います。



過敏性腸症候群(IBS)はどんな病気??
過敏性腸症候群とは、腸の緊張ならびにけいれん性の病気といわれており、腹痛や下痢など様々な症状が起こります。若い人(10代~20代)に多い病気とされています。


どんな症状が起こるの??
・便通の異常(下痢・便秘)
・腹痛
・ガス症状(お腹が鳴る・腹部の膨満感・放屁・げっぷ)
・嘔吐
・腹部の不快感など、症状は人によって様々です。
中には、消化器系以外の、頭痛・めまいといった症状が起きる場合もあります。


分類
IBSは大まかに分けて4種類とされています。
便秘型・・・便の状態が、ウサギの糞のようにころころとした形であったり、細い便になる場合があります。
下痢型・・・突然腹痛が起こり、下痢状の便を排泄すると痛みが治まります。
混合型・・・便秘型と下痢型を合わせた症状が起こり、時間の経過とともに便秘と下痢を繰り返します。
ガス型・・・お腹の張り、お腹が鳴る、おならが漏れてしまうといった症状が起こります。


原因は何??
過敏性腸症候群の原因ははっきりとは解明されていませんが、一般的にはいろいろな病因が複合的に関係しているとされています。
主なものとして、暴飲・暴食や、不規則な生活などがあげられますが、その中でも大きな原因としては、ストレス(不安・緊張など)からくるとされており、神経質な方や、デリケートな性格の方に発症しやすいようです。

いかがでしょうか?「もしかして私って過敏性腸症候群?!」と思った方もいるかもしれません。
次回の記事では、治療方法等についてお話していきます。

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2015年11月11日 水曜日

大腸内視鏡で肛門の診察ができない理由とは

よく、大腸内視鏡検査中に、患者さんから
「痔があるかどうかも診てください」と言われます。


ららぽーと横浜クリニックでは、年間1万件近くの大腸内視鏡検査が行われています。
その中には、血便の精査目的で行われているケースが多くあります。
「大腸からの出血なのか? それとも痔からの出血??」と患者さんが考えるのでしょう。

ところが、大腸内視鏡では肛門を診察することはできないのです!




その理由は・・・

痔核(いぼ痔)は時に大腸内視鏡で見えることはありますが、内視鏡の視野の真近くに位置するので、痔核の正確な大きさ(肛門の外まで飛び出す程度なのか)が把握できません。ましてや、努責診(患者さんにいきんでもらって痔核の脱出程度を診断すること)は行えません。

痔ろうに関しては、一次孔(痔ろうの原因となる穴)は1mmもないので、内視鏡ではまず視認できません。

裂肛に関しても、肛門管という場所(わかりやすく言うと、肛門の中と外の中間的な位置)にできるので、
内視鏡では、肛門内からも肛門外からも見えないのです。裂肛の有無のくらいはかろうじて判断できることもありますが、重症度までは判定できません。


ちなみに肛門の診察は、専用の診察室で「直腸鏡」ないしは「肛門鏡」という器械を用いて行われます。
「肛門科」もご覧ください

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2015年11月 1日 日曜日

急性腸炎と下痢

体が冷えてきて風邪気味...なんて人が多い時期になりましたね。
当院でも冬に近づくにつれ、インフルエンザを始めとする風邪症状で来院される患者さんが増えてきますが、風邪と同じように増えてくるのが下痢の患者さんで、多くは急性腸炎です。急性腸炎の主な症状は腹痛・下痢です。皆さんもつらい症状の経験が1度はあるのではないかと思います。

今回はこの「急性腸炎と下痢」に関するお話をしていこうと思います。


一般的には下痢を起こす原因はいろいろありますが、主な5つの原因をご紹介します。
① 腸内容の刺激によるもの
食物の不消化・腐敗・発酵により腸管の運動が異常に高まったり、腸液の分泌が異常に多くなったりして起きる。
② 腸管壁の病気によるもの
食物とは無関係で、腸管の炎症・潰瘍・腫瘍によって起きる。
③ 自律神経の失調によるもの
腸管の神経、特に腸の緊張を高める神経の興奮により、腸の運動が異常に高まったり、腸液の分泌が異常に多くなったりして起きる。
④ 精神的ストレスによるもの
小腸および大腸には腸の緊張を強める神経と弱める神経が作用しており、心配事や不安、悩み事によってこの二つの作用のバランスが崩れると下痢を起こす。
⑤ 重症の感染症によるもの
重症の感染症では細菌が血液を通して腸に入り、腸の粘膜を刺激することにより下痢を起こす。

冬になると増えてくるのは嘔吐などの症状も伴う感染性のもの(⑤)ですが、下痢の原因としては、もっと大きな病気やストレスなどもありうることがわかりますね。

急性腸炎になったらどうすればいい?
正解は「胃腸の安静」、つまり絶食です。



下痢が続くと体力を激しく消耗するので、「えぇ!?体力が落ちているときにご飯を食べないの!?」と驚く方も「いるかもしれませんが、実は下痢が続いている腸にとって、食事をとることは逆効果とも言えるのです。

下痢が続いているときは、できるだけ腸の運動を起こさないための工夫が必要です。
お腹を冷やさないこと、無理にお腹に力を入れないこと、激しい下痢の間は静かに横になることを心がけましょう。
下痢の激しい間は絶食し、お腹を休ませてあげます。症状が軽くなったら少しずつ流動食から口にして、徐々にお粥や普通の食事に戻していくのです。

病院に相談することも大事
例えば、子供や高齢者はちょっと下痢が続いただけでも「脱水症状」に陥ってしまうことがあるので注意が必要です。病院では点滴で脱水状態を補正できます。
また、下痢と言う症状の中に、大きな病気が潜んでいるかもしれませんので、病院の受診は大切なのです。

下痢の適切な診断と治療のためにも「下痢くらいで...」と一人で悩まず、お気軽にご相談くださいね。

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