大腸内視鏡.jP
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潰瘍性大腸炎の内服治療

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2012/01/20

潰瘍性大腸炎という名前を聞いたことがありますか?
テレビや情報誌等で一度は聞いたことがあるのではないかと思います。

潰瘍性大腸炎とは大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患のことをいいます。
下痢・腹痛・白くにごった粘液が便に混じる・一日に複数の排便・時には出血を伴う便が出ることがあるなどが主な症状として挙げられます。この潰瘍性大腸炎は原因がはっきりと分かっておらず一旦症状が改善されても再発しやすいという特徴があり、厚生労働省の特定疾患(つまり難病のことです)に指定されています。
(参照)潰瘍性大腸炎とは

今回はこの潰瘍性大腸炎の内服治療についてご紹介しようと思います。

<5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬;潰瘍性大腸炎治療のスタンダード!>
5-ASA製薬には従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)とその副作用を軽減するために開発されたメサラジン(ペンタサやアサコール)があります。経口投与(内服薬)や直腸から座薬として投与され持続する炎症を抑える目的で服用します。炎症を抑えることで、下痢・下血・腹痛などの症状は著しく減少します。この5-ASA製薬は潰瘍性大腸炎の治療の基本と言ってよく、軽症から中等度の症状の潰瘍性大腸炎に有効で再燃予防にも効果があります。

<副腎皮質ステロイド薬;急性増悪時のレスキュー!> 
ス テロイド薬とは副腎という臓器から分泌されるホルモンの一種で私たちの体の中にもともとある物質です。代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)が あります。投与方法は、経口投与(内服薬)や座薬、または点滴で行い、中等度または重度の症状の潰瘍性大腸炎に用いられます。
潰瘍性大腸炎が急性増悪した場合は、症状が進むと、やがて大腸から体全身にわたって炎症症状が広がります。そこでステロイド薬でもって全身の炎症をまずは強力にストップするのです。。
ただ、このステロイド薬は長期に使用すると骨がもろくなる・風邪をひきやすく治りにくくなるなどの感染症に罹りやすくなるなど様々な副作用があるので、継続的な投与は控えるよう注意しなくてはいけません。
また、急に中止すると体の中で副腎皮質ホルモンが急激に不足してしまいショック状態になることもあるので、使用中は医師の注意を厳守することが何よりも大切です。

<免疫調整薬;特殊な薬たち!> 
主にアザチオプリン(イムラン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)、最近ではシクロスポリン(サンディミュン)やタクロリムス(プログラフ)があります。これらの薬剤はステロイド薬が無効、またはステロイド薬が中止できない場合に用いられます。 

いかがでしょうか?少し怖いなあという印象をもたれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
潰瘍性大腸炎は、下痢や腹痛などつらい症状が続き、トイレに何回もいく、便と一緒に血がでた、良くなったと思ったのにまた症状がでてきたように思うなど、精神面でも苦痛を伴う病気です。定期的な診察とお薬の力を借りて病気をうまく付き合っていけるよう一緒にがんばりましょう。