大腸内視鏡.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
       
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下  痢

慢性的な下痢なら要注意

数日間だけの一時的な下痢であれば、あまり心配ありません。一時的な下痢のほとんどは、口から入った細菌やウイルスによるものです。その場合、腸の安静や絶食、整腸剤や下痢止めの内服で症状が軽快します。ところが、何ヶ月も頻繁に続く「慢性的な下痢」であれば要注意です。特に、下痢に混じるように出血または粘液が出る場合は、大腸内視鏡検査で病気がないかを確認する必要があります。

大腸の病気・炎症を疑うことが重要

具体的には、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患・大腸癌・大腸ポリープ・腸結核・吸収不良症候群・過敏性大腸症候群などです。診断には専門家を受診することが必要です。慢性的な下痢に対しては、通常は大腸内視鏡検査が行われ、はっきりした診断がつきます。

炎症性腸疾患か過敏性大腸症候群か

神経的な下痢症

数ヶ月続く下痢があり、発熱・体重減少・血便・粘液便・膿のような便などがあれば、潰瘍性大腸炎やクローン病などの「炎症性腸疾患」の可能性があります。これは、分かりやすく表現すると「腸のアトピー」といえる、大腸に慢性的な炎症が起こる病気です。

それほど症状が強くなく、「1日に何度も排便がある」「軟便傾向が続く」「緊張するとトイレに行きたくなる」といった症状のみであれば過敏性大腸症候群の可能性が大きいです。この過敏性大腸症候群とは、「内臓の神経が感覚・反射とも過敏になっている」状態で、神経質な方に多いとされています。精神的ストレスが原因で大腸のぜんどう運動に異常が出る、いわば「神経的な下痢症」です。

実際には、炎症性腸疾患と過敏性大腸症候群は症状が似ている部分が多く、症状だけでは鑑別が難しい場合があります。両者の治療は全く異なりますので、専門家の受診と大腸内視鏡による精査が必要となります。

慢性的な感染性腸炎もある

普通の細菌・ウイルスによる急性腸炎であれば、投薬により早期に治癒するものですが、腸結核、アメーバ赤痢、寄生虫、クラミジアによるものであれば、症状が慢性化することになります。
これらの場合、症状が下痢や血便などが中心であり、問診だけでは炎症性腸疾患と区別できないのが普通です。大腸内視鏡を行ったとしても、専門家以外の医師には診断の難しい病気と言えます。

大腸癌で下痢になる

大腸癌によって大腸の一部分が狭くなると、そこを通過した便のみが排泄されることになりますので、便が細くなったり、下痢になったりすることもあります。

消化不良による下痢

胃切除後など、大腸以外の消化器系の臓器の異常で消化不良がある場合には下痢となります。他には、肝臓病・胆道の病気、膵臓の病気などが挙げられます。

消化器以外が原因となることも

消化器の病気以外では、甲状腺の病気、腎臓の病気、糖尿病、アレルギー疾患、中枢神経の病気、泌尿器系の炎症の病気なども下痢の原因になります。
ご自身の慢性的な下痢がいずれかのケースに相当するのかを判断するには、専門家の受診と大腸内視鏡による精査が必要となります。