大腸内視鏡ブログ

2012年1月21日 土曜日

完全内臓逆位でも大腸内視鏡挿入法に変わりなし1/2

内視鏡専門医のみなさん。
完全内臓逆位の患者さんの大腸内視鏡検査を行ったことがありますか?

そう。
胸部のみ左右逆の患者さん(つまり右胸心)のケースはまれにありますが、腹部の臓器まで左右真逆というケースとなれば、非常に非常にまれですよね。私のこれまでの内視鏡医人生で、この「腹部まで完全に内臓逆位」の症例はたったの3例ありました。(これって、とっても多いほうと思います)

*まず大前提、患者さんが完全内臓逆位であることは、以下の所見で確かめるべきです。
・事前の問診の他、単純レントゲンでの大腸の形・肝臓の影・胃泡の部位などで確認しましょう。
・大腸内視鏡検査でトータルしてから、左下腹部を数度圧迫して、右下腹部圧迫との反応の違いを確認しましょう。
・やせ型の患者さんなら、トータル直後に部屋を真っ暗にすると腹壁を通して内視鏡先端が発するの光を左下腹部に確認しましょう。
・引き抜き途中でSFと思ったら右上腹部の圧迫で再度左右差を確認しましょう
・SFまで引き抜いたら左側臥位にすると、エアで腸管が開くことを確認しましょう。
などなど、上記すべての項目で、内臓逆位を支持する所見であれば、大前提(完全内臓逆位)が確定ですね。



今から、完全内臓逆位の患者さんの大腸内視鏡挿入法について書きます。
・・・と言ってもですね。
これが、普通の患者さんとまったく同じなのです。
普通はこう考えてしまいます
「左右逆なのだから、Rsまではいつもと逆の右上への展開になるだろう」
「そこからいつもと逆の左左へと粘膜のヒダをめくってSDまで到達」
「SFからはプッシュ操作中心にいつもと逆の右下方向中心に展開するはず・・・」
「いや、それ以前に内視鏡を持つ左右の手を逆にしなくていいのか?」
「いやいや、逆に持ったらアングルを操作できないぞ・・・」

ところがです!
実際にはいつもと何のかわりもない軸保持直線的挿入ルーチンのまんまです。
もし事前に知らされなければ、無送気では完全内臓逆位であることをトータルするまで気づかないでしょう。
(完全無送気軸保持直線的挿入法については私の著書内でイメージを含めて詳しく書いています)
(参照)行列のできる患者にやさしい無痛大腸内視鏡挿入法


ではなぜ、軸保持短縮法が同じルーチン(私の著書で言うゴールデンコース)で済むのでしょうか・・・次回へ続くです。




投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック