大腸内視鏡ブログ

2012年1月13日 金曜日

大腸内視鏡(大腸カメラ)挿入のコツ;S/C topの引き込み(1/2)

以前の記事で大腸内視鏡挿入の本質に関わる質問がありましたので、新たな記事という形でお答えします。

(読者からの質問)
D-colon~Cecumまでは、癒着なんかが無いかぎり、ほぼワンパターンで行けることが多いと思いますが、S/Cでは私には今一つ粘りがなく、引きながら回転操作でS-topを通過することが5回やって無理であれば、プッシュで越えてしまいSDを越えた時点で直線化しています。
しかし、Sでのプッシュが平気な人と痛がる人さまざまいらっしゃいます。
全てヒダをめくって吸引と引きで越えられれば苦痛ない検査ができるんでしょうが、なかなかうまくいきません。これが私の上達を阻むものだとわかっていますが、なかなかこの壁がパスできません。
先生はこの壁はどうすれば越えられるとお考えですか?


この質問は「S/C topをいかに右展開で引き込んで越えるか」という命題を提示しています。
この命題はある意味、大腸内視鏡を行う医師の最大で最終の課題の一つと言え、多くの上級者はまだこの階段を昇り詰めていません。さて、どんな工夫で「ブレイクスルー」が得られるのでしょうか。


・・・・が、その前に!
以前このブログの記事にも書きましたが、
「一般に販売されている本やこの記事を読むことで、突然明日からS/Cを伸ばさずに大腸内視鏡の挿入がうまくいくようになる」なんてことは絶対ありません!
大腸内視鏡の「ブレイクスルー」とは、あるワンポイントが突然にできるようになるものではなく、そのワンポイントが忠実に実行できる症例の割合が増えていくことを指します。
言い換えると、「うまくこなせる確率が日々の鍛錬を通して徐々に高まってくる」ことを指すものと私は考えています。(実際に大腸内視鏡を行っていると、解剖学的に絶対「S/C topで右ひねりで届かない」症例も稀ながら存在します。)


そこで、今回は「S/C topで右ひねりで届かない」という事態になる確率を少しでも減らすような工夫をいくつか述べたいと思います。その工夫を100%近く忠実に実行できたとき、S/C topを巻き込んで越えられる確率が十分に上昇していることを実感するでしょう。


当たり前のことですが、S/C topが引き込めるか否かは、そこに到達するまでの過程(肛門~S/C topまでの挿入)のいかんにかかっています
S/C topで内視鏡の先端が届きやすくなっているためにはS/C topから肛門までの大腸がどのようになっているべきなのでしょうか。大腸の解剖をそのまま想像しながら考えてみてください。

・・・この記事は長くなってしまったので、二つに分けました。
引っ張るつもりはなく、明日に(2/2)をアップします。


投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック