大腸内視鏡ブログ

2012年1月 7日 土曜日

大腸の「癌もどき」カルチノイド

大腸のポリープの一種ですが、「カルチノイド」と呼ばれるものがあります。

「カルチノーマ」は「癌」のことです。
「カルチノイド」は「癌もどき」と訳すしかありません。

大腸内視鏡をしていると、時々この「カルチノイド」に出くわします。
この「癌もどき」は、その名の通り、良性ではありませんが癌ほど悪いやつでもないというポリープです。
普段は症状は特にありません。他の症状で大腸内視鏡検査をしたときに偶然、発見されることがほとんどです。

「カルチノイド」の治療は、ある程度の大きさ以内なら内視鏡でその場で切除できるのですが、大きいものや深くめり込んでいるものだと他の臓器に転移している可能性があります・・・その場合は、外科手術(腸を切ってつなぐ)になります。


ここでひとつ問題があります。
実はこの「カルチノイド」、肛門から近い部分によくできます・・・統計的には「カルチノイド」のうちの80%が肛門から10cm以内にできます。

肛門の真近くにカルチノイドがあり、それを内視鏡で切除できない場合に行われる外科的手術は「直腸切断術+永久的人工肛門造設」です。
・・・つまり、人工肛門になってしまう場合もありうるということです!!

直腸にできる「カルチノイド」は癌並みの悪性度をもつ場合も多く、小さくても内視鏡切除だけで終われない場合も多いです。その場合、小さなポリープのために人工肛門になると言われた患者さんのショックは大きいものがあります。

実際は、大腸肛門の専門の私からすると、人工肛門は世間一般の人が考えているよりも普段の生活に支障はありませんし、よく見かけるごくごく一般的なものですし、多くの専門家も人工肛門は本当に便利なものだと考えています。
それでも一般人である患者さんは「人工肛門」という言葉の響きだけでノックアウトされることが多いですね。


・・・今後の課題はいかにして内視鏡による切除などの「局所治療」だけでカルチノイドを治癒させられるか、です。
そう簡単ではないことだけは確かですが・・・


投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック