大腸内視鏡ブログ

2012年2月20日 月曜日

大腸内視鏡検査に用いられるファイバーの紹介

実は、大腸内視鏡検査に用いられる内視鏡ファイバーにはたくさんの種類があることをご存じですか!?

一般的に、大腸内視鏡ファイバーは全長約1m20~50cmで、口径(太さ)は大体は1cm前後です。肛門から入り、直腸(肛門のすぐ奥の腸)から回盲弁(小腸と大腸のつなぎめの部分)までの大腸全域、小腸の一部までを観察・診断することができます。腫瘍の一部から組織を採取する「生検」や、ポリープ切除などの処置をすることが可能です。・・・と、ここまではどんなファイバーでも概ね共通ですね。
ところが、細かい部分になりますが、大腸内視鏡ファイバーの種類によって口径(太さ)、硬度、硬度可変機能の有無、特殊光観察能力の有無、拡大観察能力の有無・・・・様々な点で性能が微妙に異なるのです。
今回は、その中で当院が使用している内視鏡のうち、代表的なものをご紹介したいと思います。
(当院で使用する内視鏡ファイバーは2012年初現在、すべてオリンパス社製の最新型です)


★OLYMPUS CF TYPE Q260AL/I;高解像度CCD採用。観察、挿入、操作性に優れた新スタンダードスコープ


高解像度CCDを採用して高画質化を実現した、挿入性に優れた大腸スコープ。
従来機種であるCF-240AL/Iと同等の外径ながらQタイプスコープの高画質を実現し、チャンネルも3.2mmを確保しているので、幅広い病変の観察・処置に対応できます。

この「OLYMPUS CF TYPE Q260AL/I」、通称「QCF」は大腸用の内視鏡ファイバーでは標準的なタイプです。最新の高解像CCD の採用により解像力が向上した高画質の内視鏡で、拡大観察機能がないにもかかわらずポリープの表面模様(ピット)が丸見えです。特殊光観察機能(NBI)にも対応しています。
また、挿入に優れた細径タイプ(口径12mm)で、内視鏡の硬さを切り替えグリップで変えられます(=硬度可変機能)。ファイバーを軟らかくしたり硬くしたりして(コシを変化させる)、緩急をつけることにより、スムーズに挿入可能です。オリンパスが2006年に発表した新型内視鏡システム;EVIS LUCERA SPECTRUMにおいては、このファイバーが最も標準的です。全ての点で平均点を上回る優等生的なファイバースコープと言ってよいでしょう。


★OLYMPUS PCF TYPE Q260AL/I;外径11.3mmの細径・高解像度スコープ。硬度可変機能で挿入性が向上。高解像度CCDを採用した、細径タイプの大腸スコープ。



従来機種のPCF-240L/Iと同じ先端部外径11.3mm、チャンネル径3.2mmを確保しながら、硬度可変機能を実現しています。そのため、細径の弱点であった深部挿入をサポートします。

この「OLYMPUS PCF TYPE Q260AL⁄I」、通称「PCF」は大腸用の内視鏡ファイバーでは細くて軟性のものです。この「P」の由来はpediatrics(「小児科」の意味)だそうです。それだけに、手に持っただけでわかる細さ(口径11.3mm)と柔らかさ!・・・柔らかいということは、即ち患者さんの大腸にかかる力もソフトになりますので、検査中の患者さんの苦痛がより少なくなります。
このPCFというファイバーは、日本人に多い痩せ型の女性や、開腹手術の影響で腸管同士や他臓器との癒着や狭窄がある患者さんを検査する際にスムーズに挿入可能なファイバーです。また、最新の高解像CCD の採用により解像力が向上した高画質の内視鏡で、最新型ゆえ特殊光観察機能(NBI)に対応しています。オリンパスが2006年に発表した新型内視鏡システム;EVIS LUCERA SPECTRUMにおいては、検査する医師から最も好まれるのはこのファイバーではないでしょうか。実際、私が以前勤務していた病院で大腸内視鏡挿入が難しい症例があると、すぐにこのPCFに変更して検査する医師もいたくらいです。



★OLYMPUS CF TYPE H260AZL⁄I; ハイビジョン対応CCD採用。広角視野に電動式光学ズーム機能を備えた先進のスコープ。



ハイビジョン対応CCDを採用し、電動式光学ズーム機能を備えた大腸スコープ。
従来機であるCF-Q240ZL/Iより1.2mmも細い13.6mmの先端部外径を実現し、約75倍の光学拡大と電子拡大を組み合わせることで、最大100倍以上の実用的な拡大観察が可能です。

この「OLYMPUS CF TYPE H260AZL⁄I」、通称「ズーム」「Z」は、拡大観察できる大腸内視鏡ファイバーです。最新式のハイビジョン対応CCDを採用し、画像は高精細で特殊光による観察機能(NBI)にも対応しています。ここまで見えなくても診断できるのに・・と、ため息さえ出そうなほどです。また、左手親指で簡単に拡大度を操作できる「電動式光学ズーム機能」を備えており、約75倍の光学拡大と電子拡大を組み合わせることで、最大100倍以上の実用的な拡大観察が可能です。
当院では52インチもあるプラズマTVモニターを使用することで、さらに拡大された映像で胃腸の表面をプレゼンしながら検査しており、それはもう一見の価値がある圧巻映像です(たった5mmのポリープが1m以上の大きさで見えます!)。
従来機CF-Q240ZL/Iよりも細いものの、最新式の細径ファイバーよりは太いので、当院では体格の良い男性の患者さんに使用する場合が多いでしょうか。この「OLYMPUS CF TYPE H260AZL⁄I」は、大腸内視鏡挿入の技量ある医師にとっては、その観察能力とプレゼン能力によってかなり重宝なファイバースコープと言えます。



・・・・ああ、なんとマニアックな!
おそらく知らない方のほうが圧倒的に多いのではないのでしょうか(当たり前です)。
検査を受ける患者さんとしても、知っておく必要は全くありません。
ららぽーと内視鏡センターの医師とスタッフは、患者さんの問診の内容もとに、どのタイプの内視鏡ファイバーがあっているのかを常に考えて、使用するファイバーを選んでいます。大腸内視鏡はまだまだ「痛い」というイメージが取りきれませんが、少しでも苦痛のない大腸内視鏡検査ができるように私たちも毎日努力してまいります。



投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック