大腸内視鏡ブログ

2012年2月19日 日曜日

大腸内視鏡検査における「生検」とは

突然ですが、大腸内視鏡検査の後に医師から「では、顕微鏡検査の結果をだけ2週間後に聞きに来てくださいね。」と言われたことはありませんか?
患者さんとしては「内視鏡検査はもう終わったのに、何故!?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?・・・・・そんな患者さんの疑問を解明すべく、今回は大腸内視鏡検査における「生検」についてお話したいと思います。


皆様は「生検法」という検査をご存知でしょうか?
「生検法」とは大腸の粘膜を構成している細胞の変化を見る為に、その部位から少量の組織を採取することを言います。採取した組織の異常を明らかにするために、顕微鏡で組織の状態を観察します。これを「病理組織診断」と言い、病理医(組織を調べて診断をする専門の医師)が担当します。

内視鏡検査で組織を採取する際には、「生検鉗子」という内視鏡とほぼ同じぐらいの長さの細長い器具を用います。鉗子はハンドルがついていて先端が開閉できる仕組みになっています。医師は組織を採取する部位を確認し、内視鏡に付いている鉗子を出し入れする場所(鉗子口)から鉗子を挿入し組織を採取し回収します。



「組織をとるなんて痛いんじゃないか?」と思われるかもしれませんが、採取時に痛みはありません。患者さんとしては、いつ組織を採ったのか分からないという方がほとんどです。



しかしこの生検法、医師看護師にとっては注意点がいくつかあります。
①周囲に飛散させないこと
腸液や大腸の組織の毛細血管からの血液が付着した鉗子を引き抜く時に、検査中の患者様や周囲のスタッフ、検査室の物品などに飛散させないことです。
②ソフトタッチで行うこと
鉗子を大腸の粘膜に過度な力で触ると出血や胃の粘膜に穴があく穿孔という状態がおこりかねません。内視鏡で鉗子と採取する部分との距離を十分に見極めることや 無理に力を入れ過ぎないなど十分注意が必要です。また、鉗子の先端はクリップのような形をしています。このクリップでしっかり組織をつかまなくてはなりま せんが、あまり強くつかむと組織や細胞が崩れてしまい大切な組織診ができません。

・・・内視鏡検査に携わっている私たちは、毎日技術の向上や鍛錬をしておく必要がありますね。皆様が安心して健康な毎日を送れるよう私たちも手助けできればと考えております。


*少し脇道に外れますが、病理組織診断で調べることは大体以下の通りです。
病変が炎症による変化がある場合には、その病態や原因、炎症の程度などを調べていきます。
病変がなんらかの腫瘍であることが疑わしい場合には、細胞の形や細胞が集まって作られる組織の構造が正常と比較してどの程度違っているのか(異型度)を調べます。
ま れに、通常の染色法で組織の診断が難しい場合には、特別な染色法(免疫染色)を使って調べる場合もあります。この病理組織診断は専門の検査機関にお願いす ることが多く、内視鏡検査を担当した医師のもとへは7日~10日ほどで病理組織診断の結果が来ます。この病理組織診断結果と患者さんの症状や内視鏡所見を すべて総合して、医師は総合臨床診断(=最終診断)を行うのです。



投稿者 医療法人社団LYCららぽーと横浜クリニック