大腸内視鏡.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
       
患者さんの負担を軽減する大腸内視鏡検査はららぽーと横浜クリニックへ
℡:045-929-5082

大腸内視鏡挿入のコツ;SFからmidTまでは左ひねりプッシュ

no image
2012/01/12

大腸内視鏡の挿入の中で、最もルーチンからブレない箇所・・・それがlt.T/Cです。
SFまで到達できたことは、挿入長、手の感覚がフリーであること、管腔内の液体の貯留でわかります。

そこからmid.T/Cまでは基本的には「左ひねり+プッシュ」で進みます
もちろん、そこまでが完璧に短縮直線化できていることが必要条件です。

SFでゆっくり内視鏡をプッシュすると、いったんは管腔は遠ざかりますが、10cm強くらいプッシュしたところで前進することができます。
この「10cm強」はS/Cがわずかにたわんだり、SFがわずかに頭側へ押されることによる反発力を得るために必要な長さです。

T/Cでは理想的にはルーメンは左下にあります。
「左ひねり+プッシュ」で進めるだけ進みます。
単純な症例では、プッシュというよりも左ひねりだけで先進してmidT/Cまで到達できます。
このとき、患者さんに痛みはありませんが、少し圧迫感を感じるのが普通です。
この軽度の圧迫感は大腸内視鏡挿入において不可避ですが、十分我慢できる範囲のはずです。

もし、患者さんがここで苦しそうであれば、それはS/Cが過伸展してしまっているか、SFがステッキ状になっているのです(その場合、15cm以上のプッシュになっていて、術者は右手に感じる感覚でも異常を察知しているはずです)。
このバリアンスをできるだけ少なくする工夫としては、右側臥位、左下腹部の圧迫、下腹部の圧迫、などの選択肢があります。

*尚、実際の私の挿入では、SFまで到達した時に、すぐにはプッシュしないでルーメンを掻き分けてT/Cのルーメンを一度確認するようにしています。T/Cのルーメンの形を確認して、現在地が確実にSF頂部であることを認識する目的です。
「現在の先端部の位置認識」「バリアンスに対するヘッジ」は大腸内視鏡の上級者になればなるほど大切にする傾向があります。